組み立て済みのRCカーセットでラジコンライフをスタートする方も多いと思いますが、慣れてくると不満に感じるのが走行時間の短さですよね。
タミヤのXBシリーズのようなセットは、誰でも手軽にラジコンを楽しめるように価格を抑えていますので、付属するバッテリーと充電器は最低限のものです。
時間はかかりますが、ゆっくり充電するので安全性が高く、バッテリーの寿命を縮めにくくなっています。
もっとラジコンしたい!
そう感じているあなたはすでにRCカーに”ドはまり”しています。
バッテリーをステップアップすれば、もっとたくさん走らせることができますよ。
そこで今回は「ラジコン用バッテリーの種類と特徴」について紹介します。
●すぐに見たい項目があれば目次から選んでください。
目次
RCカー用バッテリーの種類と基礎知識
RCカーを走らせるためのバッテリーには、ニッカド(Ni-Cd)・ニッケル水素・リチウムフェライト(Li-Fe:リフェ)リチウムポリマー(Li-Po:リポ)の4タイプがあります。
それぞれ対応する充電器とセットで使用します。
バッテリーに書いてある数字の意味は?
⇩ところでバッテリーには色々な数字が書いてありますよね。
①はバッテリーの容量です。
この容量が大きいほど長時間走行が可能になります。
②はバッテリーの電圧(公称電圧)です。
数字が大きいほどパワフルです。
実際には満タンに充電した直後はこの数字より高い電圧になっています。
③はCレートと呼ばれるものです。
主にリポバッテリーに表記されていて、バッテリー自体がどれくらいの電流を流す事が出来るかを表しています。
上の画像のバッテリーの場合、「4000mAh 30C 7.4V」ですので、
1C=4A
4A×30C=120A
となり、最大で120Aの電流を流す事が出来るという意味になります。
なお、35C-70Cというような表記の場合は連続35C、瞬間最大70Cということです。
※1Cとは、そのバッテリーが1時間で満タン(充電の場合)あるいは空っぽ(放電の場合)になるような電流を言います。
モーターに要求されたら、それだけの電流を流すことができるという意味です。
一般的にCレートの数値が大きくなると、自己放電しやすくなるので、保管しておく場合でも定期的に充電容量をチェックし、過放電にならないような管理が必要になります。
バッテリーの充電は1C以下が基本
バッテリーの種類に限らず、充電するときには1C充電が基本です。
たとえば容量が4000mAhのバッテリーだったら、4.0Aで充電するのが1C充電です。
3000mAhの場合は3.0Aです。
※リフェでは「〇CまでOK」となっている場合もありますが、長持ちさせたいなら1C以下をおすすめします。
先ほど出てきたリポバッテリーのCレート表記と充電設定を勘違いしないようにしましょう。
「〇〇C」と書いてあるのは放電能力です。
充電は1C以下を厳守してください。
バッテリーの種類によってはマメな管理が必要だったり、アンプやモーターとのマッチングがありますので自分が使いたいシチュエーションに合わせて選びましょう。
RCカー用ニッカドバッテリー(Ni-Cd)の特徴
長い間RCカーに使用されてきたのが7.2Vニッカドバッテリーです。
1.2Vのニカド(Ni-cd)バッテリーを6本直列に接続した構造になっています。
⇩タミヤのXBにセットされているのもニッカドバッテリーです。
管理にそれほど気を使わなくてもOKですので初心者におすすめですが、容量が少ないのがデメリットです。
ニッカドバッテリーは使い終えてから充電する
ニッカドバッテリーの注意点は使い終えてから充電することです。
「使いかけのバッテリーを充電して使う」ということを繰り返すと、徐々にバッテリーの電圧低下が早くなり、充電しても満足に走れない状態になります。
充電の目安は、ラジコンを走らせている時にスピードがガクッと落ちてしまう時です。
そうなったら、バッテリーを取り外して1日程度おいてから充電します。
ただしこの方法だと必要以上に放電して(過放電)バッテリーを痛める可能性があります。
一番確実なのは、使用後に放電器や放電モードで適切に放電させて、その後バッテリー内部が安定するまで時間をおいて(1日程度)から充電することです。
この方法でよりよいコンディションを保ち、バッテリーを長持ちさせることができます。
ニッカドバッテリーを保管する場合は?
自然放電しにくく、過放電にも強いため、少だけ残量がある状態で保管します。
高温を避け、湿度の低い場所に保管して、2~3ヶ月に1回くらいの頻度で「充電→放電→保管」を行ってください。
ニッカドバッテリーの連続使用は寿命を縮める
走行→即充電→走行→即充電と極端に短いスパンでの使用を繰り返すとバッテリーを痛めます。
1日中ラジコンをしたい気持ちはわかりすが、バッテリーを長持ちさせるなら1日に何度も充電するような使い方はダメです。
ニッカドでおすすめなのはタミヤ1600SPです。
容量は1600mAhとなっていますが、実際にはもう少し余裕がある感じでパンチ力もあります。
タミグラやタミチャレなどのレースで使用することもできます。
RCカー用ニッケル水素バッテリー(Ni-MH)の特徴
ニッカドより容量が大きく、パワーもあります。
ニッカドよりもラインナップが多いためか価格が手頃ですが、管理は少し面倒になります。
以下の点に注意してみてください。
ニッケル水素バッテリーの充電
① 使い切るまで走行する
② 走行を終えた後は容量の半分くらいまで充電して保管する
もし途中で走行をやめた場合は放電器or放電モードで適切に放電してから半分程度充電してください。
③ 次に走行させる時は、一度放電してからフル充電する
ニッケル水素バッテリーを保管する場合は?
ニッケル水素バッテリーの場合は長期間放置すると自己放電が進みすぎて、充電しても使えなくなる可能性があります。
バッテリーを保管する際は容量の半分程度充電された状態で保管し、定期的に「放電→再び半分程度充電してから保管」というようなサイクルで保管することで、バッテリーのコンディションを保つことができます。
ニッケル水素バッテリーも連続使用は寿命を縮める
ニッカドと同様に1日に何度も充電するとバッテリーを傷めてしまします。
1日に充電するのは2回程度までにしましょう。
ニッカド専用充電器では充電しちゃダメ
ニッカドバッテリー専用充電器でニッケル水素バッテリーを充電すると過充電になる可能性があり非常に危険です。
必ずニッケル水素バッテリー対応の充電器を使いましょう。
RCカー用リフェバッテリー(Li-Fe)の特徴
リフェ(リチウムフェルライト)バッテリーは、軽量で安全性が高く、自己放電が少ないので管理しやすいバッテリーです。
バッテリーを途中まで使った状態からの継ぎ足し充電を行ってもメモリー効果は発生せず、1日に何度も充電と走行を繰り返すような使い方をしても性能の低下はありません。
(※ニッカド・ニッケル水素は数百回程度)
電圧が6.6Vで容量も少ないのでパンチ力が物足りなく感じるかもしれませんが、パワーの出方はマイルド&フラットで安定しています。
少し価格が高いのがデメリットですが、丈夫で安全性が高いのも初心者にはおすすめなポイントです。
(リポのように発火や破裂する可能性が低い ※もちろん無理な使い方をすれば危険です)
リフェバッテリーは使い切っちゃダメ
ニッカド・ニッケル水素は、バッテリーを使い終わるまで走らせた方がいいのですが、リフェは使い切って電圧が下がり過ぎると壊れてしまいます。(過放電)
確実に過放電を防止するためには、設定した電圧になると電気の流れをカットしてくれるアンプを使うようにしましょう。
最近のブラシレスモーター用のアンプには殆どカット機能が付いています。
数値が設定ができるタイプなら余裕を持った電圧に設定しましょう。
だいたい何分くらい走らせることができるのかを覚えておくと良いですよ♡
リフェバッテリーを保管する場合は?
リフェバッテリーは満タンに充電した状態では劣化が早くなります。
また空っぽの状態では自己放電による過放電の恐れがあります。
長期保管する場合は、だいたい40~50%程度充電しておけばOKです。
充電器によってはストレージ充電という保管専用のモードがある場合もあります。
充電はリフェ専用充電器orリフェモードで
リフェバッテリーをニッカドやニッケル水素用の充電器で充電すると、適切な電圧で充電が停止せずに破損したり発火の原因になります。
必ずリフェ専用かリフェモードで充電してください。
リフェバッテリーは4C充電までOKというものもありますが、バッテリーの寿命を考えると1C~2C程度でバランス充電をしたほうがいいでしょう。
◆ バランス充電とは?
一般的なRCカー用のリチウム系バッテリーは2セル構造です。
2セル構造だと充電と放電を繰り返しているうちに、セル間の電圧差が揃わなくなってきます。(電圧差が広がる)
この状態が進むと、バッテリーの寿命が短くなったり、パワーが出にくくなったりします。
この電圧差を整えながら充電するのをバランス充電と言います。
⇩細いコードがバランスコネクターです。
充電器の差込口に差して、バランス充電モードを設定するとバランス充電をすることができます。
★ 注意点
殆どの充電器は差し込み口がJST-XHという規格です。
タミヤのリフェバッテリーは規格が違いますので変換コネクターが必要になります。(タミヤのリフェ充電器はそのまま使えます。)
リフェバッテリーなら丈夫で安全性が高く扱いやすいパワー特性のタミヤLF2200がおすすめです。
タミグラやタミチャレといったレースでも使用可能です。
RCカー用リポ(Li-Po)バッテリーの特徴
リポ(リチウムポリマー)バッテリーは非常に軽量でハイパワーなのが魅力です。
その反面、充電や保管などの管理や安全面に注意が必要です。
ラジコンを始めたばかりの初心者にはおすすめではありません。
でもラインナップが豊富で価格も比較的手頃です。
リポバッテリーのメリット・デメリット
~メリット~
・軽量、大容量、ハイパワー
・メモリー効果がないので継ぎ足し充電ができる
・自己放電がほとんどない
など
~デメリット~
・過放電に弱い(使い切ると壊れる)
・充電方法を間違ったり内部にダメージがあると発火の危険がある
・100回くらいの使用で寿命と言われている
・保管が面倒
リポバッテリーについてはこちらで詳しく紹介しています⇩
リポバッテリーには色んな形がある
⇩これはラウンド型とかストレートタイプと呼ばれる形です。
⇩こっちは角型と呼ばれています。
ニッカドを想定して作られたシャーシには角型が合わないことがありますので、ラウンド型を選んでください。
逆にハイエンドと呼ばれる上位モデルの車は角型リポを想定した設計になっています。
ハイエンドツーリングカー「ヨコモBD9」
BD9 競技用 1/10 ツーリングカー CGシャーシ MRTC-BD919
これはショートリポと呼ばれるタイプです。
オフロードバギー、ドリフトカー、フォーミュラー、1/12電動レーシングカーなどではショートリポ専用設計のシャーシがあります。
ヨコモ RDWドリフトマシン YD-2S
YD-2S キット 2WD ドリフト バスタブ仕様 DP-YD2S
不良品だ~!
角型のリポバッテリーを使う時には⇩のようなコネクターを使ったり、
アンプからのコードに⇩のような金具を半田付けして差込んで使います。
リポバッテリーのタミヤコネクターが溶けるって本当?
同じリポバッテリーでもコネクターの形が違うものがあります。
白いコネクターが通称「タミヤコネクター」と呼ばれるものです。
⇩こちらは「ディーンズ」や「T型2ピン」と呼ばれるコネクターです。
巷ではリポバッテリーでタミヤコネクターを使うと、「熱で溶けてしまい外れなくなる危険があるからダメ」と言われています。
しかしこれはリポバッテリーだからという訳ではありません。
タミヤコネクターは使っているうちに金具が拡がって接触不良を起こすことがあります。
接触不良を起こすとコネクターがすごく熱くなって、場合によっては溶けてくっついちゃうんです。
定期的に小さなマイナスドライバーなどで、輪っかになっている方(メス側)の拡がりを直してあげるとトラブルを防げると思います。
私もヨコモのリポバッテリーでタミヤコネクターのタイプを使っています。
8.5ターンのブラシレスモーターを使用していますが、夏の連続周回でも溶けたことはありません。
リポバッテリーの管理には注意が必要
リポバッテリーは正しく使用しないと内部がショートして膨らんできたり、発火する恐れがあります。
リポバッテリーは必ず専用の充電器orリポモードで1Cのバランス充電を行ってください。
充電中、持ち運ぶ時、保管する時は必ずセーフティバッグ(リポバッグ)に入れて万が一の事故に備えてください。
私はヨコモのリポバッグを使っています。→現在はGFORTH(ジーフォース)のリポバッグを使っています👇
リポバッテリーについてはこちらで詳しく紹介していますのでご覧ください⇩
「初心者が2本目に買うバッテリー」おすすめはどれ?
ニッケル水素やリポバッテリーは管理が面倒ですし、バッテリーをハイパワーにするとアンプ(ESC)も高性能タイプを買う必要があります。
やはり初心者にも安心しておすすめできるのは、タミヤのニッカド1600SPです。
例えばすでにXBなどのセットでニッカド用充電器をお持ちなら、1600SPを1本増やしてバッテリー2本体制にしただけでも十分遊べます。
ちょっと充電に時間がかかりますが…
それでも満足できなければ1600SPをもう1本と高性能な充電器を購入してはいかがでしょうか。
「1日中練習したいんだよ!」
と言う人は予算がかかりますが、リフェLF2200+充電器にいっちゃいましょう。
タミヤの1600SPとLF2200をおすすめする理由の一つが「けっこう丈夫」という点です。
もちろん無茶な使い方はダメですが、多少ズボラな管理をしても許容してくれる頼りがいのあるバッテリー達なんです。
そしてどちらもタミグラやタミチャレに使用することができるというのもポイント。
初心者が参加しやすいレースと言えばタミグラ・タミチャレですよね~
これに出場するにはレギュレーションに合わせたシャーシ、タイヤ、ボディ、モーター、バッテリーを準備する必要があります。
はじめから1600SPやLF2200を買っていれば余計な出費をせずに済みます。
よしリフェ買っちゃうぞ。
充電器はどれがいいの?
最近の充電器はどれも機能が充実していて使い方もわかりやすいです。
👇中でもヨコモYZ-114 PLUSN AC/DC 急速充放電器は高性能でお手頃価格♪
AC/DCタイプなので、家庭用コンセントだけでなく、別売りのDCケーブルを買えば屋外で自動車のバッテリーを使って充電することも可能です。
YZ-114PLUS用 DC ケーブル (60cm) YZ-114P-3
そしてもう一つ、
「パーフェクト ネオ V3」も初心者におすすめの充電器です👇
パーフェクト ネオは液晶を日本語表示(カタカナ)にできます。
各種コードもはじめから付属していますし、使い方がわからない時には販売元のパワーズジャパンカスタマーサービスで丁寧に教えてくれます。
AC/DCタイプなので家庭用コンセントだけでなく、屋外でも自動車のバッテリーを使って充電することが可能です。(こちらはDC入力コード付き。)
※どちらの充電器も、タミヤのリフェバッテリーをバランス充電する時は変換コネクターが必要です。
充電器についてはこちらで詳しく紹介しています⇩
プロドライバーが使っているバッテリーはどれ?
世界チャンピオン含め、名だたるトップドライバーが使用しているプロ仕様のリポバッテリーブランドが「SUNPADOW」です。
本格的にレースをしている人達から、非常に人気が高いバッテリー✨
実はハイスペックなモデル「GOLDEN SERIES」だけでなく、中級者向けの「BLACK SERIES」、初心者向けのリーズナブルな「SILVER SERIES」と幅広く展開しています。
性能で選ぶのも大事ですが、自分の好きなプロドライバーが使っているのと同じものを使うのも良いですよね!!
高価なバッテリーを使うとタイムが上がるのか?
同じメーカーのバッテリーでも、容量とCレートの大きさ(放電能力)の違いで価格が全く変わってきます。
では高価なバッテリーは本当に速くなるのか??
気になるところですよね。
TNレーシングのババンゴさんが実際にYouTubeで検証していました。
検証に使ったのは2本のヨコモ製リポバッテリー。
安い方:4000mAh 30C
高い方:5500mAh 140C
安い方のベストラップは8秒57
気になる高いバッテリーのタイムは??
相当速かったようです。小さいサーキットでこの差なら、大きなコースでの差はもっと開きそうですね。
詳しくは👇の動画でご確認ください。
TNレーシングチャンネル
その213 高価なバッテリーは、本当に速いのか?検証してみた! ラジコンカー最速理論 連載中!
バッテリーは正しく安全に使って長持ちさせよう!
コンマ1秒を争うために色々な充電ノウハウがあるのは事実ですが、まずは基本に忠実に使用するのが大切です。
どのバッテリーも正しい使用方法、管理方法を守ることで安全で長持ちさせることができます。
自分の遊び方にピッタリ合ったバッテリーを選んでくださいね♡
屋外でラジコンをするなら紫外線対策を忘れずに(1年中)♡👇
Amazonでラジコンやラジコンパーツを買うならAmazonプライム会員が絶対お得!