今回ご紹介するのはラジコンのアンプ(ESC)です。
ESCは受信機で受けた信号を電圧に変えて、モーターの回転数(=マシンの速度)をコントロールします。
アンプ、ESC、スピードコントローラーなどと呼ばれています。
◆ ESC?アンプ?スピコン?どれが正しい
「ESC」はElectric Speed Controllerの略でスピードコントローラーの一種です。
「スピコン」はスピードコントローラーを略した呼び方ですが、いまどきスピコンと言う人はあまりいないと思います。
スピコンというと一般的には昔主流だった機械式スピードコントローラーのことを指します。
画像引用:メルカリ
本来「アンプ」は増幅装置のことで、信号を増幅してスピーカーで大きな音を鳴らしたりするものです。
ラジコンのESCがどうしてアンプと呼ばれるのかは不明です。
ESCが出始めた頃からアンプと言われているようです。
なんとなく?雰囲気ですかね?
私は「スピコン」も「アンプの出始め」も知らないので正確ではないかもしれません。ゴメンナサイ💦
現在のラジコンには「ブラシ付き(ブラシド)モーター」と「ブラシレスモーター」が使われています。
それぞれに対応したESC(アンプ)を選ばなければいけません。
そこで今回はRCカー用ESC(アンプ)の種類や特徴、初心者におすすめのESCを紹介していきます。
●すぐに見たい項目があれば下の目次から選んでください。
目次
ラジコンのESCにはどんな種類があるの?
ESCには大きく分けて、
・ブラシ付きモーター(ブラシドモーター)用のESC
・ブラシレスモーター用のESC
の2種類があります。
中にはブラシ付きとブラシレスの両方に使えるタイプもあります。
最近はブラシレスモーターが主流になっているのでブラシ付き用ESCは数が減ってきています。
ブラシ付きモーター(ブラシドモーター)用ESC(アンプ)
👆「タミヤ ブラシ付きモーター用ESC TEU-302BK」です。
ブラシ付きモーター用のESCは、電圧が流れている時間(オン)と流れていない時間(オフ)を制御してモーターのスピード(回転数)をコントロールします。
ブラシレスモーター用ESC
👆「タミヤ ブラシレスモーター 用ESC 03 センサー付」です。
ブラシレスモーター用ESCはモーターコードが3本+センサーケーブルが1本が付いています。
※センサーなしタイプもあります。
ブラシレスモーター用ESCはモーターの磁界を制御して回転数をコントロールします。
ブラシ付きモーターと比べるとアクセルオフ時の抵抗(ニュートラルブレーキ)が少ない特特徴があります。
ESCでニュートラルブレーキの効き具合を変えて、コーナー進入時の挙動を調整することができます。
ブラシ付き、ブラシレスどっちがいいの?
ブラシレスモーターは消耗品であるブラシをもたない構造なのでメンテナンスが楽で、耐久性や回転効率に優れるというメリットがあります。
また、「効率がいい」ということはバッテリーの持ちが良くなる傾向があります。
ただし、構造と制御が複雑になるためモーターとESCの価格が高いのがデメリットでした。
しかし現在では低価格な製品がたくさんありますので、以前よりは手軽にブラシレスを使うことができます。
ブラシモーターは安価なものも多いですが、ハイパワーモーターを使うにはそれに対応出来るスペックのESCを組み合わせる必要があります。
そうなるとブラシ付きモーター&ESCでも高額になる可能性があります。
タミヤ主催のタミグラやタミチャレではブラシ付きモーターしか使えないクラス、ブラシレスしか使えないクラスがあります。
単純に”どっちがいい”と比べられるものではありませんので、今後使いたいモーターの種類や、参加するレースのレギュレーションに合わせてESCを選んでください。
ラジコン用ESC(アンプ)の用語や注意点
対応できるモーターのターン数
モーターの性能を示す値として「ターン数(単位:T)」があります。
基本的にターン数が少ない(コイルが太い)ものほどハイパワーでバッテリーの消費量も多くなります。
低ターン数の高出力モーターでは大電流が流れるため、モーターを制御するESCもそれに耐えうるものが必要です。
ESCには使用可能なターン数の下限が記載されています。
例)23ターンまで、無制限、など
ターン数だけでなく、使用できるギヤ比が指定されている場合もあります。
低電圧カットオフ
RCカーは走行するにしたがってバッテリー電圧が低下してきます。
電圧が低くなりすぎると、
・受信機に必要な電力が足りなくなってコントロール不能(誤作動)になる
・リチウム系のバッテリーでは過放電でダメージを受ける
ということが起きてしまいます。
これを防いでくれるのが低電圧カットオフ機能です。
あらかじめ設定してある電圧まで低下するとESCが自動的に停止します。
ブラシレス用アンプなら殆ど低電圧カットオフ機能がついていますし、最近のブラシ付き用アンプなら付いているものが多いです。
バッテリーを壊さないために説明書をよく読んで正しく設定しましょう♡
バッテリーについてはこちらをご覧ください👇
→ラジコン用バッテリーの種類と特徴「初心者におすすめなのはどれ?」
→ラジコン用リポバッテリーの正しい使い方「爆発するって本当?初心者でも大丈夫?」
→初心者におすすめのラジコン用急速充電器はどれ?「RCカー用バッテリー充電器の種類と特徴」
ヒートプロテクション(オーバーヒート保護)
ESCの温度が上昇しすぎた時に強制的に送電を停止するのがヒートプロテクション(オーバーヒート保護)機能です。
負担がかかり過ぎないような設定に見直しましょう♡
※ブーストやターボについては後から紹介します。
BEC出力
受信機とサーボに供給する電力の値です。
BECとはBattery Eliminator Circuitry(バッテリー除去回路)の略で、走行用バッテリーから互いに電圧仕様の異なる受信機やサーボモータ、電動モータ用アンプなどに電源を供給するための電源回路のことです。
「ハイスピード」や「ハイトルク」の高性能サーボは消費電力が大きくなります。
サーボの能力に合わせてBEC電圧、供給電流能力の高いアンプを選びましょう。
キャパシタ
キャパシタは電気を一時的に蓄えておく部品です。
コンデンサー、蓄電器とも言いますね。
急激なスロットル操作をした時の電圧低下を補ったり、ノイズを抑制する働きを持ちます。
後付けできますが、絶対なきゃダメという部品ではありません。
センサーケーブル(センサーワイヤー)
センサー付きのブラシレスモーターは内部のセンサーがローター(磁極)の位置を検知して、その情報を元にESCが回転方向やスピードを決定します。
磁極の位置の他にも、モーターの回転数や温度などの重要な情報をESCに送ってくれるケーブルです。
センサーケーブルをモーターから外す時は無理に引っ張らないようにしましょう。
けっこう簡単にちぎれます。
線のところを引っ張らないで、コネクターの部分を慎重に引き抜いてください。
万が一切れちゃったらスペアのケーブルが売っています👇
センサーケーブルは柔軟性のあるタイプ、短いもの~長いものまで様々あります。
ESCとモーターの搭載位置に合わせて選んでください。
進角(タイミング)調整
進角(タイミング)はモーターの速さに影響するものです。
ざっくり言うと「進角(タイミング)を”進める”」とモーターのスピードが速くなります。
👆上のモーターの画像にメモリが付いているのが見えるでしょうか?
この部分の角度を変える(メモリをずらす)ことで調節できます。
センサー付きブラシレスはモーター側だけでなくESCでも進角を調整することが可能です。
ブーストとターボ
「ブースト」と「ターボ」は、ブラシレスモーターにおいて電子的に進角を調整してマシンをより速く走らせる機能です。(※この機能が付いていないESCもあります。)
メーカーによって多少違いますが、
・「ブースト」はモーターの回転数に応じて電子進角を進める(パワーアップさせる)機能
・「ターボ」はフルスロットル(全開)の時にだけ電子進角を進める(パワーアップさせる)機能
という感じです。
ブーストはコーナーの立ち上がりなどの加速を良くしてくれますし、ターボは直線の長いコースで最高速をアップさせるのに有効です。
「どのくらい進角を進めるか」「どのポイントで進角を進めるか」を設定できるESCもあります。
ギュイーン⤴っとパワーが出る感じが最高~!!
でも無茶な設定をするとモーター・ESC・バッテリーを傷めちゃうので注意です💦
あれっ?バック(後進)できない💦
ESCによってはバック(リバース、後進)有り無しを設定できたり、「モーター停止後1秒位が過ぎたところでバックできる」などがあります。
「あれっ?バックしない、ぶっ壊れた~!!」
と焦る前に説明書を見てみましょう。
それから、そもそもバックがないESCもあります。(特にブラシ付きモーター用の高性能ESC)
慣れてくるとバックしなくても困りませんが、気になる方は購入する時に確認してください。
ブラシレス用ESCの設定にはプログラムボックスが必要
ブラシレスモーター&ESCでは「回転数」「ブースト」「ターボ」「ブレーキ」などをきめ細かく設定することができます。
しかし設定するには、プログラムボックスやプログラミングカードと呼ばれる機器が必要になります。
※ESC単体で設定できるものもあります。(タミヤのブラシレス用ESCはプログラムボックスなしで設定可能です)
配線していない状態で売っているものもある
不良品だ~っ!
使用するシャーシやバッテリーのタイプに合わせてコードを付け替える人もいるので、配線していない状態で販売される商品もあります。
だからかえって配線されていない方が楽なんです♡
初心者におすすめのラジコン用ESC(アンプ)はどれ?
タミヤのXBからのステップアップで考えてみましょう。
タミヤのXBに付属するESCではスポーツチューンモーターまで対応できます。(※フルベアリングにする必要があります。)
スポーツチューンのスペックは、
最高効率時トルク:350g-cm(7.2V時)
最高効率時回転数:18300rpm(7.2V時)
23ターン
ですので、
これよりも性能の高いモーターにしたいならESCを交換する必要があります。
でも、スポーツチューンでも十分速いので当分交換しなくていいかもしれませんね。
タミチャレに出ることを想定しても…
タミチャレZERO(これからRCレースをはじめようとしている方におすすめのクラス)
・モーター:OP.983 ライトチューンモーター(28T)
・バッテリー:レーシングパック1600SP
・ギヤ比:7.20以上
コミカルバギー(コミカルグラスホッパーのクラス)
・モーター:OP.929 ダートチューンモーター (27T)
・バッテリー:レーシングパック1600SPあるいはLF-6.6V
・ギヤ比:ピニオン20Tまで
(※以上タミチャレ2019のレギュレーション)
となっていますので、ESCは初めから付いているもので大丈夫です。
タミチャレの他のクラスやタミグラに出場したいなら、ブラシレスモーター指定のクラスが多いので、
・モーター:TBLM-01(16T)か02S(15.5T)、上位クラスだとTBLM-02S(10.5T)
・アンプ:TBLE-01S、02S、03S
が必要になります。
今から購入するなら、
モーターはTBLM-02Sの15.5Tか10.5T
ESCはTBLE-03S
がいいでしょう。
公式のレースではなく、「仲間内で楽しみたい」「練習のためにたくさん走らせたい」と言う方には、G-FORCE(ジーフォース)の「TS50A & Super Fast Type-C コンボセット」がおすすめです。
やはりブラシレスの方がメンテナンスが楽ですし、回転効率がいいのでバッテリーの持ちも良くなります。
そして何と言っても「TS50A & Super Fast Type-C コンボセット」はお手頃価格!
ちょっと性能の良いブラシドモーター&ESCよりも安く買うことができます。
モーターの進角は固定で「ブースト」や「ターボ」機能もありませんが、逆に言えば煩わしい設定をしなくてもOKということです。
はじめからタミヤコネクタとモーターのギボシコネクタが配線されていますので、買ってすぐに走らせることができます。
※細かい設定を行うには別売りのPROGBOXが必要です。
コンボセットには13.5Tと17.5Tがあります。
まとめ
・RCカーのESC(アンプ)にはブラシ付(ブラシド)モーター用とブラシレスモーター用がある
・使うモーターの性能に合わせてESCを選ぶ必要がある
・ブラシレスモーターはメンテナンスが楽チンで高効率
・ブラシレスモータ&ESCは💰高価なのがデメリットだったが、最近では価格の安いブラシレスモーター&ESCがあるのでお手軽になった
走らせるシチュエーションやレースのレギュレーションなど、目的に合わせて選んでくださいね。
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